公開日:2021.01.14 | スポーツ |
TotalCareLabの鳥飼です。
今日は水泳の解説をやっていきたいと思います。
動画版もありますのでそちらも見てください。
今日お見せするムービー、早速入っていきましょう。
さて、これはですね、試合名が第17回アジア大会ですね
アジア競技会2014年に行われた仁川で行われた大会になってます。
こちら男子200メートル自由形決勝です。
これはですね、僕はずっと水泳のことやってきてるっていうのもあるし、コンディショニングトレーナーやってきてるっていうのもあるんですけど、
やっぱりこの一戦っていうのは、ある意味、萩野公介という人生、あの人間の絶頂期に戦った伝説の一戦と言えるのではないかと思いますし、
こちら映像、今映ってます6レーン
手前に写っているのが183センチ身長もあります。
朴泰桓選手。韓国の選手です。
真ん中のレーン真ん中ですね、177センチ身長があります、
萩野公介選手
日本ですね
4レーンです。
203センチ
大きいですよね孫楊選手
こちら中国の選手となっております。
さてここからわかる通り、孫楊選手203センチに対して萩野177センチ
この3人、ライバル同士なんですけども、この3人の中でも177センチと、最も身長が小さいなというところで、
この身長差というのが、自由形ではですね、すごくクロールを泳ぐを呼ぶ方が多いので、
自由形というのは何を良いでもいいんですけどもクロ-ルを呼ぶ選手がもう99%ですので、こちらにおいて、クロールというのは身長差が
とても有利だったりとか不利とか、そういうものを作ってしまいます
水泳はですね、
泳ぎの大きさ、そしてピッチ回転数、パワー、技術、
この四つが影響をしあって泳ぎというものを作っていくんですけども、
やはりどうしても不利になってしまう身長差になってきます。
さて、それでは早速ですが映像を見ていきます。
浮き上がりまでの映像を見ていきましょう。
今10メーターまで進んだと思うんですけどもここで1回映像止めさせていただきます。
こちらですね、浮き上がりの推定のデータになります萩野選手、
浮き上がるのに7.5メーター地点で浮き上がりをしました。キックは7回です。
浮き上がりにかかった所要時間4秒59ですね。
朴選手4回キックをしていますし、6メーターの時点で浮き上がっております3秒71です。
孫楊選手、3回キックですね、
3回キックして5m地点までいってます。
そして3秒2の時時点で浮き上がりをしてますと言うところからわかることが、体格が大きい選手というのは有利なので、泳ぎで勝負した方が早い可能性があります。
なので、この3人の中で孫楊選手が一番身長が大きいんですよね。
なので孫楊選手は3秒2の時点で3回キックしたらもうすぐに上がってきた
パク選手は4回キックで6メーターの地点で浮き上がってきた
萩野選手は一番身長が小さくて、倍以上の7回キックを打って7.5メーターしっかり潜ってます
さて、それでは続きを見ていきましょう。
3人の泳ぎが水中映像で見れる心もありますね。
はいこの水中映像のシーンからわかることを、また解説をしていきたいなと思うんですけども、見ていきましょうかね。
はい。50mまでの様子ですね。
パク選手が先行モードです
ピッチでのリズムですね
かくリズムがとても早いです先行しようという、
先に先に行こう先行しようという勢いが伝わってきます。
それをせず様子伺いですね、孫楊選手もどちらかというと前半からガンガン攻めていく選手なんですけども、朴選手が隣で泳いでいるということで様子をうかがっているのかなと思いました
一定のリズムで、どちらかというと孫楊選手はパワーのあふれる選手なので、ちょっと力も抑え気味で余力を残しているのかなと思いました
萩野選手ですね、ゆっくりでしたよね。
ゆっくりめで伸びのあるペースだったのかなと思います。
で、ここで泳ぎで見ていただきたいんですけども、今日覚えていただきたい言葉です。
ハイエルボー
このハイエルボーというのはどういう意味なのかというと、肘を高く保つという意味になってます。
このハイは高いを意味します。エルボ-は肘ですね。
こちらの写真を見てください。これ3者の映像になってます。
一番左側、孫楊選手。
朴泰桓選手、一番右萩野公介選手、水面からの肘の位置というのを見ていただきたいんですけども、肘に向かう肩から肘に向かって水面の方に伸びているのが、
朴選手孫楊選手、萩野壮介選手はどちらかというと肘が水面付近を通っていますよね、
ずっと水面の方を肘を高くしたまま、高い位置のまま後ろに回していく、これがハイエルボーと言うんですけども萩野公介選手は3人の中でもダントツ肘が高い位置にあることがわかります。
これ何が正解なのかとかないでしょうね作戦ですね。
解説をしますね。
肘が低い、肘が高いとよく言うんですけども、ボートをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。肘が低いということは、指先が水深深くまでも先行することがあるんですね。なので、腕全体にかかってくる水が多いということになります。
ポートでいうと、中はオールを漕いでいくイメージですね。
なので、つかめる水がすごく多いです。
その代わり、重たくなってきます孫楊の選手が一番手も長いですので、多分そのリーチを生かして、深く深く手を伸ばしている状態だと思います。しかしこれにはパワーが必要ですので、その選手はパワー型のお呼びをしているということですね。
で、真ん中朴泰桓選手は身長としてはそこまで高くないですけど萩野公介よりかは高いかなという身長になっています。なんですが、写真を見る限りは、推進の方深い方まで深い方まで変えているのかなと思います。
萩野公介選手でね、ですね非常に高くして腕を折り曲げていますので、つかめる水の量は少ないのかなと思います。
肘が低いということは水を唱え捉える水を捉える面積が大きいということなので、力が必要になってきます。
肘が高いということは水を捉える面積は少ないので、省エネの泳ぎ方になってきます。
つまりオールが長いということは、回数が増えます。
かく回数が増えます。
オールが短いということは、かく回数が増えてきます、
イメージしてもらったらわかりやすいですかね。ボート漕ぎだったら、長いオールだったらゆっくりゆっくり漕いであげてっていうイメージになると思うんですけども、短いオールでそのオールが長い船に追いつこうと思ったら
何回も何回も一緒に急いでこがないといけないですよね。
なので、そういった意味でオールの長さ、つまりですねこの日、水泳でいうと肘の高さというのは大事になってくるんですけども、
試合を実際にもう一度見てみましょう。
浮き上がったところから泳いでくると。一番ゆっくり泳いでいるのは誰ですか。
一番ゆっくり泳いでいるのは、身長の低い萩野選手が一番ゆっくり泳いでいました。
手のかき数も一番少ない数となっていました。
こちらデータです。50mまでのデータなんですけども手のかき数だけ書いております
萩野公介選手27ストローク
朴泰桓選手29ストローク、孫楊選手28
ここでん??っと思った人はよく理解をしている方です。不思議ですよね。
身長の低い日が高い水を使うの面積の少ない萩野公介選手、普通に考えたらピッチは上がるはずです。
手のかき数というのは上がるはずです。なのに、ストロークが3人の選手の中で一番少ない、一番増えてなきゃ変なのに一番少ないこれなぜなのかというところで、
疑問が浮かぶ方がいると思うんですけども、これこそですね、萩野公介選手の強さの全てになってきます。
そうですね。技術です。水というのは、固めるというものがあります。スカーリング技術というものがあるんですけども、
水を固めれば固めるほど、コンクリートにも近い硬さを持ってきます。こういうのをよく水感という言葉で表しますけども、水を固める記述がすく高い選手というのは、水をつかむ量が少なくても進む距離としては、大きいんですよ。
その大きな泳ぎもできるし、急がなくても固めているので、アクセル効果が高いということが言えます。こういうのをスイミングエコノミーが高い経済性ですよね。水泳の経済性、スイミングエコノミーという言葉があるんですけどもこちらがその非常に高い省エネで泳いでいける選手ということになってます
つまり、余力を残しているわけです。引き離されたら、もう勝負にはならないですけども、余力を残しながら、朴泰桓選手、孫楊選手を近くにつくことができています。
はい、ここからですね、萩野選手ラスト10mでラストスパートを仕掛けます。そこまで見ていきましょう。
今50m浮き上がりが終わりました。
100mに向かうというできますね。こっちが引き離されていけないですよね。
3位は3位なんですけども、こちら100mで3位の状態で浮き上がりをしております。
今から150mに進むところですね。
まだペースは変わってないです基準が非常に高い泳ぎをしております。
さて朴泰桓選集が先行していたんですけども、今孫楊選手がトップに変わりました。
萩野公介選手は少し離されています。もうここでですね負けかなって多分、
見ている方は思ったと思うんですけどもここから追い上げてくるんですよね、
萩野公介選手ここから一番、3人の中で一番後ろから一気に前線に出てきます。ここからの追い上げですねストロークの数が明らかに増えましたよね、このラストスパートで1位をもぎ取っていきます。
このラストの50mがですね、26秒00という他の50mから150mまでの距離、タイムよりももっと早いので、ラスト50m泳ぎ切ることができました。
この大会はこの萩野公介選手が追い上げたことがすごいと評価されているんですけども、このハイエルボーそして省エネといった技術を使ってアジアナンバーワンの座、そして世界に挑戦するという選手を証明した大会でもあります。
この第17回アジアカップ200メートル自由形いかがだったでしょうか?今日はこういう解説動画になりました。また違うテーマでお会いしましょう。